竹炭・竹酢の効能と実例

○ 竹炭(木炭)

 

炭は現在農林水産省の土壌改良材として認定されている。

竹炭と木炭は性能的には同じ(竹炭の方が優れていると主張している人もいる)。

炭は肥料でもなく、万能薬でもない事に留意し、それぞれの土質、気候、栽培作物に

より利用方法を考察し研究すべし。

木炭の大きさ等は5ミリ以下で利用する人、5~3㎝の人、果樹等には拳大で使う人、また竹炭と竹酢、堆肥、肥料などをブレンドする人それぞれ工夫を凝らして利用している。

 

竹炭(木炭)の働き

1)  竹炭はPh9,0

2)  竹炭の内部細胞壁(数ミクロン~数百ミクロン)と微細孔の総面積は1g 400㎡。

イ: 細胞壁に微生物が住み着き、その増殖をたすける。

   菌根菌が菌糸を張り巡らし土中のミネラルや燐酸を集め根に供給する。

   空気中のチッソを固定する根粒菌の繁殖。

ロ: 細胞壁よりカリ・カルシュウム・マグネシュウムが水分に溶け出す。

: 微細孔により通気性と保水性に富む(その機能は最高水準)。

ニ: 黒炭より柔らかい消し炭(ポーラス炭)やもみ殻炭の方が畑・水田の土壌改

   良資材として優れている。

ホ: 肥料の吸着効果が高く、肥効を持続し流失をふせぐ。

ヘ: 炭より音波が発生し微生物(細菌や原生動物)を活性化する。

ト: 竹炭の方が木炭よりカリュムや珪素の含有分が多い。

 

竹炭・木炭使用実例

1)  レタス  畑全体に薄く撒き肥料と共に耕耘する。長雨の中で炭(木酢入り)を使用した畑は根腐病にならず、一方まわりの畑は全滅。

2)  トマト  50㎝堀下げ炭と堆肥をブレンドした土を穴に埋め戻す。12年間連作している。

3)  米  竹炭、牛糞堆肥、蛎殻石灰をブレンドし鋤込む。 直販しているが味がよいので直ぐに売り切れ生産が間に合わない。

4)  菊  植え付け前の畝に埋め込む。 細根の量がふえ高品質になった、今年(10年)の猛暑、水不足を乗り切り他の農家が収穫できない中出荷できた。

5)  虫よけ コマツナ 炭の粉を撒くとヨトウムシの被害が激減

     ハクサイ もみ殻くん炭を根本に撒いたところ青虫の被害がゼロ。

     キャベツ 炭の粉を頭から散布。青虫がほとんど寄りつかない。

6)  害獣避け もみ殻くん炭を鋤込むとネズミ、モグラの被害が激減した。

7)  10年 中国大同市で木炭の利用実験がトウモロコシ、大豆を対象に行われる。

結果報告

Ph8.8のアルカリ性の土壌なのでPh9.0の木炭を投入すれば作物は育たない

との予測であったが無事に成長し通常の2倍以上の収穫が出来た。

10aあたり木炭(堆肥入り)の投入量

1.5t投入 平年並みの収量

1.0t投入 2倍の収量

0.5t投入 2.5倍の収量

 

その他

1)  東アジアでの使用例が多い。(昔の話)

日本 1697年出版 宮崎安貞著「農業全書」に木炭の利用が紹介されている。 原典中国古書「農政全書」

2)  アマゾンの遺跡で先住民による炭の農耕利用跡が発見された。

その跡地(テラブレタと命名されている)で栽培を行うと作物が元気に育ち増収効果が出てきた。その情報により近年欧米で炭の研究がはじまり日本の研究者が招聘されている。

10年 ブラジル政府招かれ大阪工業大学教授 小川真が調査研究に行く。

3)  04年 ブラジルでの報告を受け、米コーネル大学で炭の農業利用についての会議が開催される。

4)  07年 オーストラリアで国際会議が開催されバイオ炭の国際組織「IBI」が設立。

5)  木炭が炭素排出権取引の対象となろうとしている。

対象となると木炭・竹炭の利用が大規模世界的事業となり新たな問題を起こす。

6)  木炭(竹炭)の利用にかんして一部学者に否定的な意見がある。

   木炭はアルカリ度が高いので作物の生育障害が起きやすい。

   木炭の微細孔の大きさに適合した微生物しか繁殖できない。

 

 

 

 

 

 

 

   竹酢液

 

竹酢は木酢よりタール分が少なく農業資材に適している。

タール分は有害物資なので出来るだけ取り除いて使用する。(研究者によっては竹酢には抗ガン物資があるのであまり気にする必要がないと云う人もいる)

タール分除去の方法

6ヶ月から1年ぐらい液を寝かせる、上部に油分が浮き下部にはタール分が沈殿するので中間層の竹酢液を取り出し使用すする。

 

竹酢はph3の強酸性であるが有機酸なので分解され3日で元の土壌のphに戻る。又200種以上の有機成分が含まれそれらの相乗効果を利用し有用微生物の繁殖を促進して野菜栽培を行う。

植物は動物と違い免疫機能を持たず病気に対する抵抗は有用微生物の活動に頼っている。

植物は根や茎葉から糖、アミノ酸、ホルモン、ビタミンを分泌し有用微生物の繁殖を促し、有害微生物の繁殖を封じる。

有用微生物とは死んで酸化していない有機体に寄生する腐生性細菌、糸状菌、放線菌、乳酸菌、酵母菌、光合成菌、麹微菌、窒素固定菌等。

有害微生物とは生きた酸化した有機物や亜硝酸化した有機物に寄生する微生物、酸性を好み、アルカリに弱い性質を持つ。又有機物に寄生すると悪臭を放つ。

 

 

竹酢の利用方法

利用するにあたり留意する事は使用目的に合わせ希釈率と使用回数を守る事。

 

1)  土壌消毒 

原液~30倍 強酸と一時的に発生する一酸化炭素ガスの作用で殺菌、殺虫を行う。作付け2週間前

 

2)  葉面散布

  300倍~500倍 竹酢の浸透力を生かし葉や茎、根より有機塩類等の有用物質を

  植物へ直接吸収させ健全な体をつくる。

  7日~10日に1回 朝、夕に散布日中は避ける。

 注:200倍~300倍 植物の生育を抑制する。

 

 

3)土壌改良と植物の健全化

  500倍~1,000倍 竹酢液の有機酸はミネラル分と結合しているため空気に触れ

  るとアルカリ性に変化してアルカリ性を好む有用微生物が繁殖し、その微生物より

  抗菌物質が盛んに分泌され病原菌が撃退され酸性を好む病原菌は活動が阻害さ

  れる。

  植物の健全化 植物の生育には窒素が欠かせないが過剰に与えると、植物は肥

  満・メタボになり体質は酸性となる。酸性になると病原菌や害虫を呼び寄せる。

  体内に貯まった未消化窒素成分は竹酢の有機成分と結合してアミノ酸やタンパク

  質へと変化して植物の生育を助け、葉の防御組織であるクチクラ層を厚く強固にす

  る。

  追;水のクラスター化 通常水は分子が結合して大きな固まりとして存在しており

    植物にとって吸収しにくいものであるが竹酢は水の分子を切り離し細分化して

    吸収し易い形状にする働きがある。

 

3)  竹酢エキス

竹酢に薬効成分の有る植物等をつけ込み、竹酢に新た能力を与える。

殺虫効果 アセビ(劇薬指定で取り扱いに注意)、唐辛子、榊

殺菌効果 ニンニク

害虫忌避 ニンニク、唐辛子、唐辛子は赤くなる直前の青い実を使う

病気対策 ビワの葉、カキガラ、タマゴの殻(カルシュウム補給剤)

いずれも300倍~500倍で7日~10日間隔で使用する。 

 

注意; 竹酢散布をした後には必ず容器を洗浄する事、希釈した竹酢は微生物が

     繁殖しゼリー状の固まりが出来、器具等を詰まらせ破損させる恐れがある。